古紙回収は我が国の文化

 古紙回収は使用済みの紙類を回収して、集められた紙類をトイレットペーパーやオフィスで使用される再生紙としてリサイクルするために、市町村などの地方自治体や、小中学校などの活動やPTA活動として、町内会などの組織、新聞販売店、古紙回収専門業者などが行っています。 我が国における古紙回収の歴史は古く、紙が貴重な存在であったため平安時代にまでさかのぼることができるといわれています。江戸時代には使用済みの紙を専門に買い集める紙屑買いや、路上に落ちている神を拾い集める紙屑拾いと呼ばれる専門業者が現れるようになり、古紙を回収して再利用するという文化が広まりました。当時使用されていた紙は和紙であったことから、紙自体の強度も強く、集められた古紙をどろどろになるまで煮立たせたのちに再度紙漉きを行って製品化しても問題になることはなく、紙自体の貴重性からごく一般的な流れでした。

江戸時代において、古紙を回収する専門業者とそのようにして集められた紙を買い取る業者、紙の買い取り業者から紙漉き職人、紙漉き職人から紙問屋を経て紙の消費者へと、ほぼ現代と同じような古紙回収に関するシステムが我が国において構築されていたことには驚きを禁じえません。江戸時代の古紙回収のシステムが基礎となっていることから、現代においてもそのシステムは大きくは変更されておらず、流れの途中の紙漉きが職人の手によるものから製紙会社などへ、回収に足を運んでいたものが自動車を利用するようになったくらいしか変わっていません。

現代における古紙回収は、新聞紙をちり紙に交換する古紙取扱専門業者によって行われてきましたが、地球温暖化に対する懸念や環境に対する意識の高まり、資源の有効活用に対しる意識の高まりなどを背景に、専門業者の手によるものだけではなく先述したように地方自治体による取り組みや、新聞販売店による取り組み、回収した古紙を専門業者に売却することで発生する利益を学校活動やPTA活動に充てるための学校などにおける取り組み、利益を地域住民の福利や地域環境の整備に充てるための自治会などによる取り組みなど、様々な団体によって古紙回収が行われるようになりました。 古紙の再利用を促進するために設立された団体の調査統計によると、我が国における古紙の回収率はここ数年78パーセント前後となっており、古紙の利用率も63パーセント前後となっています。それとともに古紙の輸出も大きな伸びを見せており、我が国が海外に誇ることができる数値を示しています。